〜(7)の続き〜

1ヶ月半ぶりに彼が機嫌を直してくれ、やっと再会できたのですが『悪いのはすべてあなただ』と主張する彼の望む謝罪と説明をし、なんとか仲直りすることもできたのです。

しかし彼女である私には、さらなる試練が待っていました。

突然の遠距離恋愛に不安しかないものの〝この現実を受け入れていくしかない〟と徐々に気持ちを落ち着かせていくのです。

それではここから、彼が旅立つまでのお話をしていきます。

続きをどうぞっ!

私自身にも環境の変化が

一人暮らしを決める

彼との遠距離恋愛が決まったタイミングで、私にも転機が起こりました。

ひょんなことから一人暮らしをすることになったのです。

一度実家を出て暮らしていたことはあったのですが、このきっかけから改めて私の自立した生活がスタートするようになります。

しかしこの引越しには、一つ問題点がありました。

直前まで住んでいる人から譲り受けて住む物件だった為、自分で地域や物件を探す通常の引越しとは違い、勤めている会社までの距離が遠くなってしまうのです。

通勤圏内ではあるのですが、片道1時間半〜2時間。そして踏切事故もよく起きていたので、一度ハマると帰宅困難者になるような少し利便性の悪い場所になるという大きなデメリットが。

それでもナゼ、私はそこに住むことを決めたのか?

それは趣味である〝バスケを優先した〟からである。

当時、彼氏に依存気味&バスケ活動にも平日の仕事終わりや休日と、よく参加し仲間といる時間が中心となっていた私の生活は、毎日通う職場よりも〝彼の自宅に近くなる!〟や〝バスケ仲間と会いやすい!〟という理由が何よりも嬉しく、体育館への近さなどから躊躇せずにその物件に住むことを決めてしまったお馬鹿なのです。


⦅余談⦆
案の定、通勤の一苦労を経験することによって、次に選んだ物件は〝徒歩で会社に行ける距離〟に引越したのである。笑
それから私は『通勤時間ほど無駄なものはない』と、心身の負担が全然違うことを実感し、通勤距離の大事さを肝に銘じているのです。

話の脱線、失礼いたしました。

最低な送別会の夜

彼氏の冷酷さ

私は引越しの荷造りをなんとか終え、その晩は彼の送別会を予定していました。

荷造り後で少しバタバタしていたが、なんとか会場の居酒屋へ着くと、そこにはたくさんのバスケ仲間が集まっていました。もちろん普段話したことのない強いチームのメンバーたちもいて、内心ちょっとドキドキ。

本日の主役である彼も到着し、皆楽しく送別会の時間を過ごしてるようでした。

本当は・・・心の中では行ってほしくない、離れてほしくない気持ちでいっぱいでしたが、その言葉は出さないように堪えていました。

そんな彼女の気持ちを彼は察することもできず、『寂しい思いをさせちゃうけど・・』などの言葉なんてもちろん一度もありません。彼はもう、そういう人なので。

しんどかったですね。楽しいはずの送別会、私は内心悲しい気持ちの方が強かったと思います。


そして送別会が終わり、他の人たちが帰った後のこと・・・

お酒が入っていた私は、彼の態度からの日頃の不安や不満が爆発してしまったのです。

もちろん、そんな彼女を受け止められる器の男ではないので、彼はそのまま逆ギレするわけで喧嘩に発展。

喧嘩途中、彼はその場から姿を消したので時間的にも自宅の最寄駅に帰ってしまったと思い、私もタクシーを使い彼の最寄駅に向かい追いかけてしまったのです。(アホですね)

しかしブチギレている彼は姿を現そうともせず、私が帰れる手段がないことを知っていても、そのまま放置するのでした。

夜中に何もない田舎の駅にポツリと一人、知らぬ土地で野宿するという最悪な状況になってしまったのです。

私が取り乱したことが喧嘩の原因なので強くは言えませんが・・・それにしても冷酷。そして終電を逃してまで追いかけてしまった私は、相当な彼への依存と不安からの症状でした。

しかし、いくら喧嘩をしたとしても、私がもし逆の立場なら男(彼氏)一人駅前に、一晩中放置はさすがに可哀想だなと心配になり、私なら迎えに行きます。

ましてや女一人、一夜をやり過ごせそうな場所もない田舎に放置は危険と思わないのかと改めて彼の冷酷さを痛感しました。(追いかけた私がアホですが)

朝までほぼ知らぬ田舎駅に、女一人放置。彼は連絡を無視し家に帰りグッスリ眠っていたようです。

始発で帰宅、引越し当日

虚しさで穴の空いた心

まだ日も出ていない暗い早朝。

やっっっと待ちに待った始発の時間になりました。

一睡もせず疲れ切った私は、田舎町にある彼の最寄り駅の始発電車に乗り込み、遠い自宅へ帰ります。

無事帰宅するもグッスリなんて眠れず、仮眠をとり引越しの準備をするのです。

彼とまたこんな状態になってしまい、さらに前夜のお酒が抜けて余計に心がポッカリ空いた心理状態での引越し。

それでもとにかく、今日一日は頑張るしかないという気持ちで引越しに挑みます。

急激に襲う寂しさ

協力者のお陰で無事、荷物も移動できたのですが、引越し完了後なんだか急にとてつもなく寂しい気持ちに襲われたのです。

一度実家を出たことはあってもそれは同棲だったので、正式な一人暮らしは初めて。

『バタン。』

と、引越し荷物を運んでくれた協力者がドアを閉めた瞬間に襲ってきた寂しさは、今でも忘れられません。

急にシーーーンとなり、ポツリ一人ぼっちで、大量の積んである荷物が目の前にある光景が現実を突きつけました。

まず、テレビをつけて気を紛らわせようと積んである荷物から接続コードを出し、動き始める。

昨夜の送別会の後のことで寝不足やネガティブな心理から、寂しくてとにかくしんどかったのです。

とりあえず、食べ物も飲む物も何もなく、ある程度片付けたら夕食のことをまず考えなければいけないと気付き、実家に甘えていたことをすぐに痛感、思考を切り替えます。

その日SNSで寂しさをつぶやくと、引越しを何度も経験したというバスケ仲間のお姉様が優しく同情してくれたのですが、当時の私にとってはすごく温かく少しの安心に繋がったのです。

まぁ、こんな大袈裟に言っていますが、のちに一人暮らしの楽しさを思いきり謳歌する私がいます。

モラハラ彼氏という余計なネガティブ要素が、当時は本当に心を弱くしていたなと実感です。

ホームセンターデート

買い物に付き合ってくれた彼

今回の喧嘩はそう長くはなかったのです。

私が引越してから、生活に必要な家具家電・キッチン用品などをホームセンターに買いに行きたいと頼むと、彼は珍しく付き合ってくれたのです。

この買い物は、彼が遠くへ行ってしまう前の最後のデート。

色んな家具を彼が持ってきては、

『コレはどう?』

と言いながらモノボケをしてくれたりと、なんか久々に幸せな時間だった気がします。

そして購入した家電などを、彼は私の新しい部屋の中まで運んでくれました。

背が高い彼に、時計を壁の高い位置に掛けてもらったり、色々力になってもらえた日でした。

そして私の部屋でお茶を出し、少しだけ会話をした後、彼は帰って行くのです。

私の引越し先の新しい部屋から、彼の住んでいる実家までは本当に近く、彼も移動の負担がないから気分も良いみたい。

私の部屋を出てから10分後・・・彼からLINEメッセージが。

『これからは近くて良いな!』

冗談満載の内容でした。

しかし、間もなく彼は遠くへ引越してしまう現実が待っている為、私にとっては、とても辛い冗談なのです。

せっかく距離問題が解決したのにこんな残念なことある?!と、お互いの引越しのタイミングの悪さを運命にも残酷さを感じているのでした。

でもしょうがない。彼の遠方への就職も引越しも、決まってしまったことですから。

いよいよ彼の引越し

出発当日

本当は彼を新幹線乗り場まで見送りたかったのですが、彼の母親が対応するということなので私は見送りはせず。

私は彼とLINEメッセージで連絡だけ取り合いながら、離れた場所から見守るように過ごしていました。

いよいよ、私の依存相手=彼氏の引越しで遠距離恋愛がスタートしてしまうことに時間は止まってくれず、流れゆく現実を受け止めながら、私はなんとか生きていました。

〝彼の新たな門出〟を応援する気持ちと、私自身の不安が入り混じりながら。

来月、早速会いに行く約束。でもそれは私だけじゃない…?!

ついに遠距離恋愛がスタートするわけですが、果たして彼に依存気味の私はこれからの不安に耐えられるのか?

彼は今、新しい場所で頑張ろうとしている姿勢は、ワクワク感が前に出ていて努力しながらも楽しそうに見えます。

その姿は、私も自分事のように嬉しかったのです。

早速私は来月、新生活を頑張っている彼に会いに行くと約束をすると、彼もとても嬉しそうに受け入れてくれました。

普段気難しい彼が喜んでくれると私も嬉しく、会いに行く日を目標に仕事も頑張ろうという気持ちになれていたのです。

が!しかし、早速問題が起きたのです。

〝別の女も彼の家に一人で遊びに行く〟というのです。

はい・・・?

しかも相手は、私たちをよく知っているバスケ仲間の若い子。

私と彼が恋人同士なのを知っていて〝よくそんな計画が立てられるな〟という、その子に対し不信感と不安でいっぱいになり、またまた余計なネガティブな心情に襲われる私なのでした・・・。

さて、私の彼氏はどう反応するのか?
彼女がいるのに、他の女性を受け入れるなんてこと・・・さすがにしないよね??


次回、
遠距離恋愛スタートで順調な二人の仲
ブス女が一人で泊まりに行く?!