〜(9)の続き〜
彼氏が就職のために引越し、遠距離恋愛がスタートして早々〝女問題〟で一悶着ありましたが、私の知るところでは実現せずに済んだようなので、とりあえず一件落着に。
そしていよいよ、遠距離になってから初めて彼に会いに行く日がやってきます。
その日を目標に仕事も頑張れてきた彼女の私。
待ちに待った再会の日は、喧嘩もなく無事に過ごすことができるのでしょうか?
それでは続きをどうぞっ!
遠距離恋愛中の彼に会いに行く
再会〜恋人同士の幸せな時間

私は一人、新幹線に乗り、ドキドキわくわくしながら彼の元へ初めて向かいました。
駅で待っていてくれた彼と合流。
お互い、少し照れた表情での再会の瞬間でした。
その表情から、〝なんだかんだ私を好きでいてくれてるんだな〟と感じ、素直に嬉しかったのです。
たった1ヶ月間の会えない時間でしたが〝彼氏に会えた〟という喜びは、遠距離恋愛中の一番の嬉しい瞬間だったと思います。
少し照れた二人は〝新鮮な気持ち〟に戻れた感覚で、色々な話をしながらこの大きな駅中にある、ちょっと雰囲気の良い店を見つけ入って行きました。そこで夕食を済ませることに。
沈黙もなく、彼は嬉しそうな表情のまま色々な話を私にし続けてくれました。
その後、電車に乗り彼の家へ向かい、なんだか久々に恋人として隣を歩けている現実に私は内心嬉しく、幸せな気持ちに浸ります。
まだ1ヶ月ですが、突然の遠距離から会えない日々を我慢し、乗り越えてきて良かったと思えたのです。
電車を降り、彼が新生活を送っている町並みを眺めながら、家に到着。
ちょっとドキドキ・・・
電話で色々相談や説明をしてくれていた、キッチンの収納やお風呂場の工夫などを実際に見ることができ、キョロキョロしながら彼の部屋を観察。
それからお風呂に入ったり部屋着に着替えたりし、のんびりしながら新天地での色々な話をたくさん聞き、大好きな彼とただただ幸せな時間を過ごすのです。
翌日は、彼がこの町に来てから発見したラーメン屋さんや自分の職場など、色々な場所に連れていってくれました。
夕飯は彼が鍋を作るということで、二人でスーパーに行き買い出し。カートを二人で押しながら買い物するという、なんともカップルらしい感じが私は好きで、さらに幸せを噛み締める時間を過ごします。
二人で帰宅し、彼の部屋で私は料理の助手をしながら鍋を完成!
というか、そもそも・・・
私も料理には自信がある方なのですが、彼はいつも私に作らせてはくれなかったんですよね。『手料理を食べたい』なんて嬉しい言葉も一度も言われませんでした。
(バスケの溜まり場など、何かのシーンで作ると言うと『いや、いい』と言われ彼が作っていた気がします。)
そして泊まりに来た今回も手料理を断られ、内心ちょっとショック。
彼の料理を見る限り性格同様、〝独特な拘り〟があるようです。人に作ってもらいたくないのかな。
本当そういう所も、相手の気持ちを読み取れない心の無さを感じていましたね。
モラハラ特有なのでしょう。
やっぱり不安は消えないよ

私が今回、彼の部屋に泊まりに行ったとき、折りたたみベッドが用意されていました。
それは前回(9)話で述べた〝例のベッド〟のことです。
私は彼女として彼に会い部屋に泊まりに来たけれど、(これって私だけのベッドじゃないんだよな)と、やはり彼の今までの異常な言動から不安に思ってしまうのです。
他に男友達や家族などが泊まりに来た時はもちろん気にしないのですが、やはり気になるのが〝他の女〟たち。
一件落着した〝女が遊びに来る問題〟でしたが、またいつ同じようなことが起こり、今度は実現してしまうのか・・・それが怖くて不安だったのです。
てかコレってそもそも〝浮気〟・・・?ですよね?笑
(彼氏が他の女を部屋に泊まらせるってアウトよね)
それを堂々と〝自分論〟で彼女に逆ギレして正そうとするのは、正真正銘のヤバ男。
詳しく知りたい方は(9)話をご確認ください。
まさかの指輪

彼の部屋のベッドに横たわりながら、二人で語り合い穏やかな時間を過ごしていた時の話。
間もなくクリスマスシーズンに入る頃だったのですが、私は勇気を出し思い切って彼に〝欲しい物〟があることを打ち明けたのです。
『離れている時間が増えたから、私は〝指輪〟が欲しいんだ。』
ドキドキしながら初めて彼に欲しい物を伝えてみました。
・・・答えは『OK』
まさかのOKをしてくれたことに、めっっっちゃ驚く私、、、
『俺、今まで彼女に指輪が欲しいって言われても、断ってきたけど・・・いいよ、クリスマス、指輪ね。初めて彼女に指輪プレゼントするわ。』
と彼本人も、自分で驚いたように言うのです。
それは、嘘の言い方でもなく、本音で言ってくれているのが伝わってきたのです。だから私はすごくすごく嬉しかった・・・。
特別感というか、突然の遠距離恋愛になってしまって辛いことも多かったけど、なんか・・・報われた気がして。
彼が本当に私のことを、なんだかんだ好きなんだなと感じ、とにかく自信に繋がった瞬間でした。
この時ばかりは、幸せいっぱいの瞬間だったのです。
所詮〝都合のイイ女〟
通常の彼に戻っただけ

幸せだった彼との2日間の時間はあっという間に過ぎ、それぞれの生活に戻りしばらくした頃。
彼も徐々に職場や環境にも慣れてきて、趣味であるバスケットを早くやりたいという気持ちから、現地のバスケサークルを自分で探し参加し始めていました。
初めの頃は私によく電話をしてきては、〝どんな雰囲気・どんなチームだったか〟を教えてくれたり、『俺のプレーでけちょんけちょんにしてきた!黙らせてきた!』だとか言って私に楽しそうに話をしてくれていました。
しかし、バスケ仲間が増え友達ができてくると、新天地での寂しさも暇も無くなったのか、極端に私への連絡をしなくなったのです。そう、極端に。
むしろ、私からの連絡はウザい、面倒くさい彼女だと言わんばかりの態度に豹変。
というか、引越す前の冷たい彼に戻ったんですよね。
彼が引越し新生活を始めた頃は、頻繁に連絡をしてきては私を頼ってくれていたのですが、そんな幸せで安心な時間は〝最初だけ〟でした。
その後は、引越す前の彼の態度と同じ。
すべてがバスケ仲間中心となり、用が済んだ彼女はおざなりに。
うん、とっても都合がイイ。
所詮、〝私は都合のイイ女〟
また雑に扱われるだけ。
遠距離恋愛中の不安ほど辛いものは無く、最近落ち着いていた私のうつ症状も、再び心身を病む状態に戻ってしまうのでした。
⦅最終章・目前⦆
次回、
カウントダウンも許されない?
やはり彼女は下の下の扱い